2019年10月2日水曜日

BlackmagicDesign / HyperDeck Studio Miniによる、アルファ付き素材の大量ストックシステム

大量の透過素材テロップと、カメラや動画などを複数使うシステムが必要となり考えてみた。また、クライアント側の指定機材が ATEM なので、おそらく1080p出力が必須だと思われる。
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■機材構成(仕込み機材含む)


 スイッチャ

BlackmagicDesign / ATEM Television Studio HD - 8.0.1
 BlackmagicDesign / ATEM Software Control - 8.0.2

 素材のストック(アルファチャンネル付テロップ)

BlackmagicDesign / HyperDeck Studio Mini - 6.0

 素材のエンコード

Apple / Compresor - 4.2.2

 ※タイトルを作りたいのであれば

Apple / Motion - 5.4.3

 LANルーター


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この構成であれば、問題なさそうです。
HyperDeck Studio Miniを使う理由としては、ATEM Television Studio HDのメディアプレイヤーには20個までしか素材がストックできないからです。



ここで煩わしいのが、HyperDeck Studio Miniには画像ファイルが入らないこと。
また、Photoshop Pluginを使って、ATEMに直接書き出すことはできても、それをHyperDeckに持っていくことができない仕様で、HyperDeckの素材を外部保存する機能も持っていない。HyperDeckのSDカードの「Media」(一番上の階層)にpngを放り込んでも再生されない。

そこで必要となってくるのが、Compressorです(この方法は、下記YouTubeのMotionの例を参考とした)。要するに、透過画像ファイルを透過動画に変換するコンバーターの役割として使用するわけです。

参考:Preparing videos/graphics for HyperDeck Studio Mini // Show and Tell Ep.52



手順

Compressorの「ファイルを追加します」のセクションに、アルファ付きのpng画像をドロップする。
バッチの設定で、「Prores」の「Apple ProRes 4444(アルファ付き)」を選択し、右クリックで「複製」する。
複製したバッチをクリックし、右側の「ビデオ」の項目タブをクリック。
「ビデオのプロパティ」の「フレームサイズ」を自動→「1920x1080」にし、「フレームレート」を自動→「59.94」fpsに変更する。ちなみに、手入力で60fpsとしても、ATEMで再生されないので注意。
そして、フィールドの順番をソースと同じ→「プログレッシブ」に念のため変更しておく。



あとは、上記で作成したバッチを使って「バッチを開始」を実行すれば、アルファ付きの動画movファイルが作成される。

データが書き出されたら、SDカード(HyperDeck Studio Miniでフォーマット済みの物)にコピーする。
ファイル名は、「Media」になっているので、フォルダの第一階層に直接入れる。
ここで注意しなければならないのが、ファイル名です。
何通りか試してみたが、おそらく全角文字のファイルは認識(文字化けにもならず認識自体がNG)されない。英数字や、- _ などの記号は問題なかった。

そして、コピーしたメディアをHyperDeckに戻す。
HyperDeckからの出力用SDI(もしくはHDMI)をATEMの入力端子に接続する。

ATEM Software Control で、HyperDeckを認識させる。
これは、同じネットワーク内という条件で、HyperDeckのIPアドレスをATEMのソフトで設定すれば認識する。



ちなみに、MacBookProのThunderbolt 2 → Ethernet を2つ使って認識させようとしても、これはできない。よって、ルーターが必須なところが厄介だ。

HyperDeckとの接続が認識できた後は、 ATEM Software Control の「メディアプレイヤー」タブを開き、「Hyperdeck」を開くと、SDカード内のデータを再生することができる。
一番下のクリップのところには、読み込んだSDカード内のファイルが並んでいる(名前順でソート)。※画面キャプチャのものには素材が入っていない


アルファ付きデータを透過テロップとして画像に乗せるには、ATEM Software Control の「パレット」タブから「ダウンストリームキー」を選択すると、詳細な項目が広がる。キー1の「フィルーソース」にHyperdeckからの入力端子(例:SDI 5)を選択し、この場合、キーソース2をSDI:6に設定するとアルファ付きのテロップとなる。


このように、仕込みや手順や機材の準備、本番のオペレーションなど、気をつけなければならないことがあるが、とても安価に1080pシステムを構築することができる。

とはいえ、ATEM + Reso による、キー抜くだけのシステムの方が、仕込みも圧倒的に楽なのと、人的ミスが起こりにくいとは思う。

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